ヒーリングっど♥プリキュア9話。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
4話にも出てきたららぽーとならぬ、ゆめぽーとでひなたメインのドレスアップイベント回。脚本はシリーズおなじみの伊藤睦美さん、絵コンテはトンチキなギャグ演出が得意な土田豊さん、演出は川崎弘二さん、作監はシリーズベテランの小松こずえさんといった布陣。 pic.twitter.com/9V58AMfLRZ
前回8話でのちゆのエピソードとほぼ内容を同じくするものだけど、描き方とアプローチが異なっているかな。その辺は、ひなたのキャラクター性に依るところは大きいのだと思うけども。ちゆがなんというか人間関係という「領域」の話だったなら、ひなたの方は人間関係における「深度」の話だったようにも
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
小難しくいってしまえばそういう話なんだけど、今回もアバンの始めでテーマが提示されてる感じよね。TikTokみたいな動画を二人に見せているシーンから始まっているけど、これがとても顕著で。端的にいうと、ひなたは自分の楽しいことや好きなことを、親しい人間になんでも「共有(シェア)」したい人間 pic.twitter.com/2Db5J5tP13
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
共有、シェアすることで他人との間柄や結び付きを実感している子という印象。この辺、とても現代的な感覚でひなたの付き合い方がとてもSNS的よね。付かず離れずだけど、非常にオープンに点と点が線で結びついている。反対にちゆはその辺がとてもクローズドなので「領域」の話に向かったけど。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
ひなたがTwitterやLINEなら、ちゆはmixiやもしくは鍵垢みたいな? そういうキャラ区分がきっちりと定義されているように思うよね。ひなたはそういった「共有(=同意)」を相手に求めている分、ネガティヴな反応に対しては非常に敏感で腫れ物に触るような接し方をしてる。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
ここのシークエンスなんか特にそう。最近ののどかの写真がない理由(持病で入院してたから)に言われて気づくと、すぐさま平謝りする。相手が不快に思うだろうことを、ひたな自身が必要以上に気にしてるんだよね。そこだけはとても神経質なくらいで。 pic.twitter.com/O7TIrKySU3
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
彼女の行動原理が基本的に「共有(シェア)」なので、お互いに経験するものへの感情の同期・同調が根底に潜んでいるよね。みんなが楽しいから、私も楽しい。私が楽しいからみんなも楽しい。と、いうのがまず前提があって「共有」が成り立つので、まず自分の意志が後回しになる。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
ちゆは確固とした「自意識」があるため、人間関係の立ち位置と距離感に悩まされる反面、ひなたは「自意識」が希薄なために、相手の事ばかりを慮って距離感が近くなる。その一方で、結び付きはあってもそのひとつひとつは深度が浅いから、人間関係としては弱いよね。フォロー/フォロワーの関係に似てる
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
ここらの感覚はなにもWEB上に限った話じゃなくて、リアルな場でも流行のものに敏感だとあっちにいったり、こっちにいったりするミーハーな人はいるわけで。ひなたはその気質である一方で、「共有」したい人とは全力で同じものを楽しんでもらいたいがため、助力を惜しんでないがこの場面によく表れてる pic.twitter.com/nR6IdTlxxT
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
翻れば献身的であるし、それがひなたの美点でもある。けど自身の拠るべき所がないというか、浅い人間関係(他者依存)してる分、彼女の自意識の身の置き所も安定してない。「共有」したいけど、相手に自分の好みやしたいことを押し付けてないか、というのが先に立つので「自分がない」ように見えてしまう
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
ドレスを選ぶシーンなんかは特にそうで、ひなた本人はこの状況をほかの二人も楽しんでいるという認識で、この人ごみの中を割って楽しむわけだけど、そういうのを楽しめる人間ばかりではないということが頭から抜け落ちている。というのが表情の変化にも表れてるよね。 pic.twitter.com/dzMjxP4hSR
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
当然のことながら、のどかは持病で入院してた経緯からこういう場所には慣れてなくて、へばっちゃう。けど、ひなたにとっては、一緒に楽しもうとしてる人間がこうなってしまうことが一番あってはならないことだと思ってる節があって、必要以上にシリアスに捉えてしまう pic.twitter.com/ACXTSAm13N
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
同じことを共有(シェア)して楽しみたいという気持ちと、夢中になってしまうと周りが見えなくなってしまう気質がひなたの中ではバッティングしてて、それによってのどかたちが楽しめてないと認識しちゃう。共有することで完結してしまう弊害というか。 pic.twitter.com/m1q1xEv8Qi
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月1日
同じもので繋がり、同じ気持ちで結び付く。そういった関係性で他人と接してきたからなのか、ひなたは感情が一方通行になってて、キャッチボールしてなかった、というのがこのペットボトルでの「対話」で象徴的に描かれているように思う。他人がどう思ってるかにとても過敏で、先走って思い込んでしまう pic.twitter.com/w3kFAJyV7M
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
この場面ではそうではないことが示されていて、ひなたのしてくれている事をのどかがちゃんと受け止めて(というより、彼女が初めて経験することでもあり)、接していることもあるのだけど。人間関係の浅い所に終始して過剰なまでに他人の顔色を気にしていたいたひなたがのどかの心に触れてる所なんだなと pic.twitter.com/m5tssoMS1d
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
なので今回もプリキュアのバトルはAパートで描かれたことのリフレインで、みんなが楽しく「共有」できる物を脅かすビョーゲンズを守ろうとして、一人で突っ走ってしまう自分を顧みてしまうのよね。シンドイーネに「考えなし」って揶揄されるけど、そういわれるのが彼女にとってはとてもショックという pic.twitter.com/rfKGve4G83
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
自分は良かれと思ってやってるけど、周りがそれについてこれない、というのが「共有」を前提としているスパークル(ひなた)にとっては一番耐え難い事でネガティヴな反応以上にそれで孤独になる事を嫌う性分なんだろうなあと。自分を通じて、周囲が賑やかだったり、同じ空間にいることが大切。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
孤独に耐えられない人間だからこそ、他者に対して過敏なのだろうし、深入りしないようにしてきたのだろうけど、それでもプリキュアとして結び付いて、助けに来たのどかたちはそんなひなたに新しい扉を開いてくれる存在でもあるのよね。ちゃんと彼女を受け止めてくれるだけでも大きな意味がある。 pic.twitter.com/vN1xsHJS0m
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
ある意味、かりそめな関係で同じ感情を共有(シェア)するだけだったひなた(スパークル)へのどか(グレース)が真っ直ぐな感情を投げる事でようやくキャッチボールが成り立った感じだけど、ひなたは今までそういうことをしてなかった分、受け止めきれないのよね。 pic.twitter.com/3dRhhI3rT0
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
自分のやって来た事に相手の感情が返ってきたってのは、共有するだけじゃ見えてこない、ギヴアンドテイクな相互関係によるものだよね。相手の事を思ってやった事に、相手が返してみせる。互いに互いを理解してるからこそ成立するわけで、ひなたはそこに慣れてないからはずかしくなっちゃうという。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
だからまあ、シンドイーネが蚊帳の外になって怒るのも当たり前なんだけどw 前回のちゆは自分の領域に二人を受け入れるまでの話だったけど、今回のひなたは二人を信頼する話だったように思えますね。 pic.twitter.com/MVTkfwlzW2
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
ベクトルは違うけど、前回と今回と続いて(たぶん次回も?)人間関係の話で、切り口の違った話なのは構成がクレバーだなと思うことがしばしば。ひなたはこうやって、二人に似合うドレスを選んであげる所なんかは共有以上に信頼を見せた、という風にも取れますし。 pic.twitter.com/EzS2TQOoky
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
三人揃っての記念撮影はそういった関係性を表すのでも。ちゆのぎこちない笑顔が、ギャグとして機能してるけど、その辺のニュアンスも布石っぽい感じがあるよね。それぞれに違うだけ、関係性も深まるという。 pic.twitter.com/aLorQ7iQ2b
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
ひなたがのどかにしてあげたかったのは、今の楽しい写真を部屋の写真と一緒に並べてあげること。、思い出の共有をしたかったというのもあるけど、ひなたの思いやりを感じる、手堅い結びでもあるよなあ。 pic.twitter.com/9Q4IXavvdq
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
そして本人的には黒子のつもりでやってたんだろうけど、察しのいいちゆにはバレバレで、のどかには真正面から感謝されて、恥ずかしくなるっていう。他人の気持ちを受け止めるというのに慣れないだけで良い傾向だなあとは。 pic.twitter.com/mbp2kZsDzi
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
とまあ、のどかを軸に関係が深まっていく、良い回だったのではないかと思いますね。ちゆにしても、ひなたにしても、内在する問題は他にもあるのだろうけど、どちらも新たな一歩を踏むという点で共通してるエピソードでもあるなと思った次第です。 pic.twitter.com/cxxSrt3teB
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日
余談だけど、ゆめぽーとの移動カットで三人の手足にブラー(手ブレ表現)が掛かってて、地味に面白かったですね。ちゆの足にもしっかりブラーが付いてるのが余計にw pic.twitter.com/YbW8U0UhEn
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年4月2日