極上同窓会#11

アニメ『極上生徒会』、勝手に10周年企画。
10年前の放映日に合わせて、1話ずつ振り返ってます。
今回は第11話。

脚本:黒田洋介/絵コンテ:上原秀明/演出:安藤健/作画監督:松岡謙治・野口孝行/総作画監督:川田剛


フットサル回。
唐突ですが、今回のNGワードです。
神宮司奏は高慢ちきで鼻持ちならない女」
ハイ、復唱。
神宮司奏は高慢ちきで鼻持ちならない女」
よく出来ました。
今回はこの言葉がかなり大きな意味を持つエピソードですね。
前回のエピソードと対応した作りになっています。
そういう点では今回もまた奏会長がピックアップされるわけなのですが……。

以下、本編を見ていきましょう。

宮神学園のフットサル部員が全員夏風邪でダウン。
しかし、宮神学園をなにかとライバル視する絢爛学園との練習試合が明日に迫る。
という説明をしているところで、絢爛生徒会の乱入w
いつものコメディ展開ですね。
この人たち、いかにも安い敵役なんですけどとんでもない地雷を踏みます。

神宮司奏は高慢ちきで鼻持ちならない女」
そうです。
フットサル部が試合できないことを口実に、謂れもないレッテルを張りにきたのが運の尽き。
起こさなくてもいい、虎の尾を踏む事になったのは言うまでもなく。
画像はその一連の流れですね。
表情はほとんど変わらないのに、じわりじわり怒りが滲み出てる奏会長。
よく見ると最下段右の画像の片眉が引きつってたりするんですがw


ただならぬ威圧感で絢爛生徒会を追い払った直後。
窓の外が逆光で見えない辺りに狂気を感じるw
ココまで感情の起伏を露わにする奏会長も珍しくて、超然としてない感じは面白い。
絢爛生徒会の謂れなきレッテルを払拭するために何としてでも勝つ。
前回がボトムアップからの発端だとすると、
今回は明らかなトップダウンの発端なんですよね。
分かりやすく言えば、前回は奏会長「も」望むこと。
今回は奏会長「が」望むことで、物語が進行していきます。
忠義から任務。
そのくらいのニュアンスの差があって、メンバーたちが右往左往するのが今回のエピソードです。


しかし「神宮司奏は高慢ちきで鼻持ちならない女」というフレーズに奏会長は物凄く固執します。
存外、根に持つタイプで闇の深さが何処となく窺えるのが楽しいんですよねえw
翻って考えると、だんだんと怖くなってきます。

というわけで至上命令により、生徒会メンバーで試合を行うことに。
笑顔で「負けると私は高慢ちきで鼻持ちならない女になってしまう」とか言われると、
異様な圧というか、そうなったらどうなってしまうんだという恐怖を感じてしまうw
案の定、遊撃以外のメンバーは運動下手なのが露呈&ボケボケなのが確定。
隠密は敵を調査すると逃げてしまうし、早くもお手上げとなるのだったw

そして、その隠密が更なる油を火に注ぐw
個人的にはいったい何がしたいんだレベルで状況を遊んでるとしか思えない所業だよ!
なんでわざわざ相手側の懐に入り込んで、ネタ晴らししてんのよw
おかげで、奏会長の表情が恐ろしいくらいに無表情になってるじゃないかw
最高だよ!
……ともかく、間が非常に絶妙で無言の怒りがよく表現されている。
とともに同時に生徒会メンバーへの圧力が強くなった感もありますね。


でまあ、何でか日本代表(?)の伊丹ゆきみ先生がコーチになって特訓(12時間)することに。
メンバーの士気が高まる中、奏会長はまだ言ってますw
どんだけ根に持ってるんだ、この人w
もしかして初めて言われたからギスギスしてるのだろうか?
ここまでAパート。

んで、Bパートは試合なんですか、色々あって割愛するとこうなりましたw
要は絢爛生徒会が色々ズルしました(ざっくりな説明)
ちなみに外国人っぽいのはまたコナミのゲームネタ。ランブルローズ

で、ついに負傷者が出る始末になった所で奏会長が自分の過ちに気付く。
けどやっぱりあのフレーズは気に障るのか、まだ言うかとw
いやまあ、トップの感情が先走ると苦労するのは下々の者、というのがよく分かりはするんですが。
そもそも謂れのないレッテルなわけですから、気にしなけばよかったのもありますね。
りののフォローはその辺りも含んでるわけですが。


んで、今回どうにかしたのは隠密。
こっちもこっちでチート使ってきたのでご愛嬌ということか。
スコアがもう超人スポーツみたいな点数ですがw
そして、明かされる隠密メンバーの一人。
名前や存在は前々から仄めかされていましたがようやくの登場です。
実はもう一人いるわけですが、彼女たちのエピソードはまだまだ先のことです。


怒りの収まった奏会長はそんな状態だった自分に尽力してくれた仲間に感謝。
……けど、まだ言ってるよ、この人わw
どれだけショックだったんだろうか。
やっぱり今まで言われたことのない陰口っぽい蔑称みたいに感じられたんだろうなあと。
そういう想像は出来るけどw
むしろ怒らせるとすっごい怖くなるという印象しか与えられていないような気もする。


とはいえ、少し触れましたが10話とは異なったパターンで物事を解決しているのがよく分かると思います。
前回は基本的に会長の為にメンバーが動いた形ですが、
今回は会長の火消しをするためにメンバーが慌てて対処する話というのが正しいと思います。
トップの行動しだいで、それを支える人たちの対応も変わってくるというお話。
コメディなので深刻に描かれてはいませんが、
人の上に立つ者だからこそ過ちを犯すと、全体も間違った方向に進んでしまうという事でしょう。
実際、今回はメンバーの戸惑いも多く見受けられるエピソードだったとも言えるかと。
2話かけて、奏会長の人間くささを描いてきたのが次回に生きることになるのですが、
それは次で語ることにしましょう。
ではまた次回。