極上同窓会#10

アニメ『極上生徒会』、勝手に10周年企画。
10年前の放映日に合わせて、1話ずつ振り返ってます。
今回は第10話。

脚本:黒田洋介/絵コンテ:河合夢男/演出:山崎茂/作画監督山川宏治/総作画監督下谷智之
水着回、に見せかけたプール開き回。
なので水着より会議シーンが多いというエピソードです。
今回はシリーズ構成的に5話のカレー回に対応しているというか。
様々なテーマや要素をちりばめておいて、コメディ回で繋げていく。
5話は1〜4話までの、今回は6〜9話まで内容を踏まえた上でのエピソード。
各話で描かれたものがコンテンポラリーに扱われていってるんですよね。
今回はその中でもメインストーリーに繋がる部分をいくつかピックアップしたいと思います。

といいつつ、枝葉の部分からピックアップしますw
あらすじは奏会長&水着目当てにやってくる野郎どもをどうするのかというもの。
画像は話の枕部分で展開される副会長たちの会話。
これも過去回の要素を拾ってきている描写ではあるんですよね。
6話の奈々穂の描写がそうだったりするんですが、本ブログではピックアップしてません
男どもに(自分を含めて)水着姿を見せることに難色を示す奈々穂と、
別に減るものでもなしと余裕を見せる久遠。
目新しい要素は久遠側(水着を見られることに寛容)に多いんですが、
先のエピソードで奈々穂のギャップを描いてるから、久遠のスタンスが返って映えています。
むしろエロOKなのかという意外性もありつつ、
一方で恥らう奈々穂が久遠にゲンコツかますのが非常にかわいらしい。


その関連で対策会議冒頭のやりとりも個人的に好き。
周辺各校の男子に人気アンケートを取るという火に油を注ぐような真似をして、
結局楽しんでる辺りにこの娘たちの神経の図太さを感じしてしまうw
で、久遠のこのどや顔ですよ。
女性の魅力という面では奈々穂に勝っているという不遜な笑み。
実力が拮抗してるライバルだからこそ、優位な部分があると嬉しいんだろうか。
ぶっちゃけからかっているようにしか見えないけど、そこが良いんです。

会議は踊る、されど進まず。
過程をいろいろすっ飛ばしますが案の定、何もまとまらないまま夜に。
いっそ中止にという意見が出たところで、奏会長が存在感を出す。
やらないよりやった方がきっといい思い出になる、みんなにも私にとっても楽しい思い出になる。
楽しいことは思いっきり楽しんじゃいましょうという奏会長。

対してプールなんていつでも入れるだろ、というプッチャンの発言。
それを受けての奏会長の表情の変化とそれを見る奈々穂の表情に注目。
あたかもプールそのものに何回も行けるものではないような表情。
この二人の関係は前々から明示されているが、この辺りから徐々に複線となってくる。

そんな表情を垣間見せた後、男子が校門前で待ち伏せしているという情報で会議はうやむやに。
残念そうに外を見つめる奏会長の側にりのが来て、励ます。
この辺も過去の積み上げがないのとあるのではかなり響き方が違う描写じゃないかなと。
りのとの直接的な関係がよく表れてます。

それを少し離れた距離で眺める香。
この距離感も8話で説明した通り。
奏会長に対して憧れの強い香は間接的な関係で。
りのが本人を励ます一方で、彼女は奏会長の望みを果たそうとするわけですね。

結果として、表向きはプール実習を中止する告知を出すことに。
りのをはじめとして学園の生徒たちも落胆してる。
ここで暗躍しているのが隠密。
情報操作とかはお手の物といった感じだけど、
よく考えるといろいろと学園内の事を掌握してる久遠が怖いよなあ。
そんな彼女にも裏があるのはおいおい語りたいと思います。
あ、最後のりののアップは埋めカットです

一方の香。
りのは奏会長本人の気持ちを心配して、行動には移らない。
けど、香は自ら行動に移るわけです。
要因としてはココであげた、彼女の内にいる奏会長の姿と言葉。
熱烈な信奉者である香はこの奏会長の喜ぶ姿を実現するために体を張る。
本人がどう思うか、ではなく希望を叶えようと身を尽くすことが信条なのですね。
ホントにりのとは対照的な立ち位置で面白いところ。
まあ、やることはギャグに近いのですが。

で、りのは。
中止の告知を受けて、落胆する奏会長に本当の所を伝えに行く。
ココも面白いですね。
直接的な交流を是とするりのだから出来ることなのですが。
裏表のない性格だからこそ、奏会長へのメッセンジャーとたり得る感じ。
ここまで過程で結構後ろめたいことを副会長たちがしているのを、
りのがそのキャラクター性で浄化してる辺りの配分が面白いですね。
奏会長もりのに言われる事で、表情が和らいだと思うとほっこり。

というわけ(?)でいつもの様に、豪華客船チャーターという豪快な手段で乗り切る事に。
まったく予算のことを考えてないのが玉に瑕ですが、事は丸く収まったので一件落着。
いやまあ、生徒会メンバーの姿はオミットしましたよ? 
これから見るだろう人のために。

というわけで、楽しい思い出が一つ刻まれましたということで、本編の終了。


ざっとですが、過去のエピソードをきちんと描写で拾ってきてるのが面白いなと。
省いた描写についてもいろいろ拾えますがあまり本筋と関係がないのでカットしました。
奏会長の背景を仄めかす要素が徐々に現れてきてますね。
今後のエピソードの前振り的な部分がありますので、その辺りはまたその時に。
というわけで、それではまた次回。