月一恒例の音楽鑑賞履歴。
明けましておめでとうございます。今年も一年よろしくお願いします。
はてなダイアリー終了に伴い、はてなブログに移行してもやることはあまり変わりませんが。
昨年12月の鑑賞履歴です。
6枚。
なかなかペースは戻りませんが、楽しく聞いていければいいかなと。
今回はMr.Big関連特集でしょうか。肝心のMr.Bigを一枚も聞いてませんが。
ポール・ギルバートもリッチー・コッツェンも好きなアーティストです。
今年はどんな年になるか、想像もつきませんが趣くままにやっていきます。
というわけで以下より感想です。
Silence Followed By a Deafening Roar
- アーティスト:Gilbert, Paul
- 発売日: 2008/04/08
- メディア: CD
楽曲についてはジャンルの区分なく、ポール・ギルバート自身が思い描くメロディが繰り広げられている印象で、クラシカルな旋律があったと思えば、思い切りメタルなソロがあったりと息つく暇のない感じだが、ポップな側面が影響しているのか冗長にならず、きっちりコンパクトにまとまっている。
この盤でも見え隠れするのは、ファンクというかブラックミュージックの横ノリアプローチ。縦ノリだけではなく、グルーヴに根ざした演奏が出来るのも彼の懐の深さを窺い知れるだろう。ポール・ギルバートのやりたい事が凝縮された結晶のような一枚。その屈託のない朗らかさが魅力的だ。
Inner Galactic Fusion Experience
- アーティスト:Kotzen, Richie
- 発売日: 1995/11/21
- メディア: CD
ホールズワース的なテクニックもそうだが、それ以上に多彩なプレイが聞けるのでその引き出しの多さには驚くし、その点においては巧者っぷりを余すことなく体感できる。数曲ではあるが本家ホールズワースとの共演経験もあるジェフ・バーリンが参加しており、ますますその違いがよく分からなくなる。
しかし、コッツェンの方がやや硬質に感じられるか。どちらにしても、テクニックをひけらかすのではなく、楽曲の必要に応じて繰り出されるテクニックの数々がただただ心地よく聞けるのでただただお見事。2曲だけ歌ってもいるがそちらの方でも実力の高さが伺えて、舌を巻く。地味ながら質の高い一枚だ。
- アーティスト:リッチー・コッツェン
- 発売日: 1996/01/25
- メディア: CD
単に技術をひけらかすのではなく、楽曲を生かすために持ちうる技術を使いこなすという時点で、相当クレバーなミュージシャンであるのは疑いようもないが、ここまで何でもできてしまう姿にはいやがおうにも、プリンスを思い浮かべてしまうが実際そのくらいの実力を持っているのだろうと実感する。
反面、ソツがなさすぎて派手さには欠ける作品ではあるのだが、それを補って余りあるくらいには、アルバムの完成度も高い。歌も非常にソウルフルで、楽曲もHR/HMらしさを微塵も感じさせない、ファンキーなものなので食わず嫌いな人は一度聞いてみてほしい。地味ながら名盤の輝きを持つ一枚だろう。
- アーティスト:Kotzen, Richie
- 発売日: 2004/01/13
- メディア: CD
特に売れるという野心もなくコッツェンのやりたい事をその都度、具現化してるような音楽なのでポップな響きや即効性のある派手さはやはりないが、自由闊達にイマジネーションを紡いでいく姿勢は流行に左右されない良さがあるように思う。その点では職人的な趣もあるが、良質な作品なのは疑いない所だ。
- アーティスト:Ramones
- 発売日: 2002/08/26
- メディア: CD
フィル・スペクターの製作姿勢とバンドの製作スタイルが噛み合ってなかったために軋轢があったようだが、実際バンドのアルバムとしてはヘンテコな感触を残す一方、バンドの直線的な演奏が本家ウォール・オブ・サウンドによって、メロディの境界線が曖昧になっていく様はわりとサイケな感触も感じられる
一方でラモーンズ自体のガレージロック的な演奏がフィル・スペクターの作り上げる音像とまったく喧嘩しあっていて、相乗効果が生まれているかというと疑問符はつくがここまでの作品に比べると非常にメロディの甘酸っぱさが増しており、その感触自体は悪くはない。
ただバンドとプロデューサーの意図がかけ離れているので、わりあい不幸な作品だろうか。過渡期の作品であるのは確かだが、この不器用さがラモーンズらしくもあり、今までとは違った側面が窺える点では結構楽しく聞けるかと。実際、バンド史上最大のヒットを記録したアルバムというのもその証明だろう