話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選

さて、今年もやってまいりました。話数単位で選ぶ、TVアニメ10選です。
毎年、放映されたTVアニメの中から話数単位で面白かった回を選ぼうという企画。
新米小僧の見習日記さんが集計されている、年末の恒例企画です。
「話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選」参加サイト一覧: 新米小僧の見習日記
大まかなルールは以下の通り。

ルール
・2018年1月1日〜12月31日までに放送されたTVアニメ(再放送を除く)から選定。
・1作品につき上限1話。
・順位は付けない。


本ブログは8回目の参加です。なお過去の10選は以下のリンクから。

話数単位で選ぶ2011年TVアニメ10選 - In Jazz
話数単位で選ぶ2012年TVアニメ10選+α - In Jazz
話数単位で選ぶ2013年TVアニメ10選+α - In Jazz
話数単位で選ぶ、2014年TVアニメ10選+α - In Jazz
話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選 - In Jazz
話数単位で選ぶ、2016年TVアニメ10選 - In Jazz
話数単位で選ぶ、2017年TVアニメ10選 - In Jazz

筆者としては「記録を残す」という点で、企画に参加してます。なお今年に置きましては色々と「宿題」を残してしまっていますので、10選コメントについては手短にまとめてあります。むしろ全話見てない作品からの選出もしていて、かなり寄せ集めな感じです。ご了承ください。ちなみにスタッフ名等々は敬称略となっております。日付は地上波放映日、Web上の公開日の最速に準拠しています。


《話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選》

・DEVILMANcrybaby IX「地獄へ墜ちろ、人間ども」(1/5)
(脚本: 大河内一楼/絵コンテ:湯浅政明/演出・作画監督:小島崇史)

原作の衝撃回に真っ向勝負をかけた一本。物語全体が不寛容さや人の獣性、死にまとわりつくエロスを描いた生理的嫌悪に背徳を覚える作品だったが、選定話数はその象徴ともいえる回。暴徒に祭り上げられた美樹の生首に艶かしさを感じさせる辣腕を思い知った。

多田くんは恋をしない 第8話「雨女だったっけ?」(5/24)
(脚本: 中村能子/絵コンテ・演出:藤原佳幸作画監督:山野雅明、瀧原美樹、凌空凛、伊澤珠美、菊池愛、助川裕彦、市原圭子)

人が恋に落ちる瞬間を描ききった一話。河口湖に野営し、星空を待つというベタなシチュエーションながら、奇を衒わずヒロインテレサの情緒を見事に活写した。平成末期の東京という舞台において、あえて「東京タワー」を出してこない試みなどその清新なドラマは地味ながらも冴えていた。

メガロボクス ROUND3「GEAR IS DEAD 絶望の果ての負け惜しみ。機械はハナから息しちゃない」(4/20)
(脚本: 真辺克彦/絵コンテ・演出:和田高明作画監督和田高明、原田大基)

あしたのジョー」を原案にして作られた近未来ボクシング作品。この回で、ジャンクドッグを始めとするチーム番外地が出揃った。アンダードッグ(負け犬)どもが明日なき明日を目指して向かおうとする姿は心惹きつけられるが作品がそれを完遂できたかはまた別問題。和田高明によるボクシング描写は流石といったところ。

働くお兄さん!第10話「レンタルDVD屋のお兄さん!」(3/9)
(脚本: 高嶋友也/監督:高嶋友也/シリーズ構成:宇佐義大/キャラクターデザイン:小田ハルカ)

ショートアニメ。2期をまったく見ることができなかったが、やはり映画ファンネタはコメディとして鉄板というか。キャラクターを始めとしてデザイン周りが非常に秀逸だったし、回を増すごとにおとぎ話を絡めたギャグ描写の拍車がかかってたのもドライヴ感があってよかった。この回はさるかに合戦。

・22/7 「あの日の彼女たち」day03 立川絢香(5/24)
(絵コンテ・演出:若林 信/作画監督堀口悠紀子

YouTube公式配信作品。秋元康による二次元アイドルグループ「22/7」の何気ない日々を切り取った内の一編。なんというか、こういう悪戯っぽさやはぐらかし方が思春期の少女らしい描写だが、それを堀口悠紀子という望外の人材によって描かれる作画と気鋭の若手演出家、若林信の競演によって成立させた企画者の慧眼が物を言う。百聞は一見にしかず。以下にリンクを張っておく。同シリーズはどれも必見。

・うちのメイドがウザすぎる! 第1話「うちのメイドがウザすぎる!」(10/7)
(脚本: あおしまたかし/絵コンテ:太田雅彦/演出:守田芸成
 /作画監督:伊澤珠美、杉田まるみ、鈴木絵万、濱口明、山崎淳

動画工房によりスクリューボール百合コメディ。とにもかくにも鴨居つばめというアンタッチャブルなキャラクターの一点突破で成立する、心に傷を負った幼女の超克ドラマだがそのアンバランスな物語を有無を言わさぬ作画力で押し切ったのは挨拶代わりの初手としてはこの上ないものだったかと。

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風 第4話「ギャング入門」(10/27)
(脚本: ヤスカワショウゴ/絵コンテ:木村泰大/演出:鈴木恭兵
 作画監督:森藤希子、重本和佳子、岩崎安利〔アクション〕/総作画監督:田中春香)

Vsポルポ(ブラックサバス)編。5部以降、複雑化の一途を辿ることになるスタンドバトルだがその魅力をアニメで表現する事に注力した話数だと思う。同時に5部の真の意味での「始まり」が描かれたエピソード。イタリアらしい陰影の濃さにジョルノという「黄金の精神」のストイックさもまた重なって、5部の凄惨さが浮き彫りになったのも見逃せない。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない第3話「君だけがいない世界」(10/20)
(脚本:横谷昌宏/絵コンテ:増井壮一/演出:篠原正寛/作画監督:宮粼詩織、三木俊明、石毛理恵/総作画監督:田村里美)

前年(Just Beause!)に引き続き、鴨志田一原作の選出。西尾維新の「物語シリーズ」フォロワーとも言うべき作品であるが、昨今「空気」とも呼ばれる、目に見えない「圧力」をテーマにしている辺りがオリジナルとは一線を画すか。その第一章の完結編。先祖返りしたかのような学園青春ドラマをどストレートに展開して、甦らせた点に目を見張る。青臭くもあり、若さゆえの歪みを調律するという点は非常に電撃文庫らしくもあるが、現代性も携えているのが面白さだろう。

HUGっと!プリキュア 第38話「幸せチャージ!ハッピーハロウィン!」(10/28)
(脚本: 横手美智子/絵コンテ・演出:平池綾子/作画監督:上野ケン/総作画監督:山岡直子)

ハロウィン回。15周年という事もあって「お祭り感」の否めない今年のプリキュアだが、あえて「らしい」話数を選んだ。今シリーズは若手である平池綾子が頭角を現した点が個人的に目を引く。「らしさ」は人によって異なると思うが、15年培ってきたスタイルに新味を加えるという点では、プリキュア初登板となった横手美智子ともども健闘していたように思う。特別なことはしない、「いつも」のプリキュアを演出することの大事さをこと強く感じた話数だった。

・少女☆歌劇レヴュースタァライト第12話「レヴュースタァライト」(9/28)
(脚本: 樋口達人/絵コンテ・演出:古川知宏、小出卓史
 作画監督:松尾亜希子,小里明花,谷紫織,清水海都,小池裕樹,錦見楽,杉山有沙,大下久馬,小栗寛子,櫂木沙織,角谷知美)

今年、アニメで一本選べと言われたら、この作品を選ぶ。結果的に「舞台演劇」をアニメーションで表現することに挑戦していた作品であるし、生の舞台には出来ない表現で追いつき追い越そうとしていた。「二層展開式少女歌劇」の名目が災いしたのか、間口の狭い作品となってしまった感はあるが、それ以上に一度惹き付けられたファンを逃さない(逃せられない)構造は強固でもある。短い文章ではこの作品は語り切れない。やり残した「宿題」も本作にまつわるものだが、何とか完遂したい所。選んだ話数に一言添えるとしたら、物語そのものが『レヴュースタァライト』だったという事。どういう事なのかは、別の機会に改めて。


【次点】
少女☆歌劇_レヴュースタァライト第3話「トップスタァ」,第6話「ふたりの花道」,第8話「ひかり、さす方へ」
HUGっと!プリキュア第15話「迷コンビ...?えみるとルールーのとある一日」、第29話「ここで決めるよ! おばあちゃんの気合のレシピ!」、第33話「要注意!クライアス社の採用活動!?」


《終わりに》
今年2018年の総括を書こうと思いましたけど、上手くまとまらないので割愛します。まあ、今年は時代を考えられるほどには作品を見ていないというのもあるので、ともあれ。
昨年の総括で、時代の空気はなにかしら「淀み」を帯びたものになってきている、と語りましたがこの一年を振り返ってみると、国内ではその「淀み」が恐ろしい速度で広がり「汚染」されてしまった、としか言いようのない停滞感あるいは疲弊がそこかしこで目に見えてきた年だったのではないでしょうか。

良くも悪くも今年を象徴したMV、Childish Gambino「This Is America」で表現されているように「この不条理な世界こそ、アメリカだ」といわんばかりに各国、内憂外患の状況が続いているし、日本も他人事ではないかと。加えて、「平成」がいよいよ終わります。そういった時代背景からも色々と岐路に立たされているのは言うまでもないだろう。零細ブログで現状を憂えてもしかたないけど、舵取りひとつでいつ急転直下してもおかしくはない状況であるのは確か。だから注視しなくてはならない、のだと思う。
という風に書いてもいいんですけど、別に政治的なことが書きたいわけではないので。色々くたびれてきているというのが肌感覚としてありますが…。観測範囲ではやはり世間的に百合作品の飛躍した年かなあとも思いますが、バズッた作品を熱心に見ていたわけではないのでそこを語るにしてもなんだかなあという感じが自分の中にあったり。いや、個人的には「少女☆歌劇_レヴュースタァライト」をずっと追いかけていたわけですが、いかんせん全話感想がまだ終わってないのが心残りといいますか。まだまだ自分の中でケリがつかずにいる作品なので、噛り付いてもやりきりたい所存です。なのでお待ちいただいている人たちはもう少しご辛抱を。時間はかかると思いますが自分でもやり遂げたいと思っていますので。
今年のアニメ鑑賞についてはそんな感じで情熱を傾けすぎたせいで、他が霞んでいるという状態がずっと続いている状況でしたね。こんなのは滅多にないことではありますが、もうしばらく続きそうです。というわけで今回は縮小版という形で記事をまとめてみました。まあなんとか10本かき集められたので良しとします。平成最後の年末がこれでいいのか、という気もしなくはないですが、今年の記録として心に刻めたので悪くはないでしょう。それではひとまず今年の締めとして。
以上が自分の「話数単位で選ぶ、2018年TVアニメ10選」でした。各所で関わりになった方々には本年もお世話になりありがとうございました。来年もまたお付き合いいただければ幸いです。それでは今年も残りわずかですが、よいお年を。