音楽鑑賞履歴(2019年7月) No.1333

月一恒例の音楽鑑賞履歴。
また、というか色々あったせいもあって、1枚のみの履歴です。なるべく数は聞きたいんですけどね。夏に差し掛かるとイベントなども多いので、必然的に聞く機会も少なくなるのは悩ましいところです。今年も暑くなりそうですが、何とか対応していきたいですね。
というわけで以下より感想です。


Magic & Medicine

Magic & Medicine

・03年発表2nd。前作の狂騒的な響きは鳴りを潜めた反面、音楽性の奥行きを深めた印象のある一作。前回が幽霊船がやってきそうな霧の濃い港町の印象だったが、本作は一転して、鬱蒼とした森で繰り広げられる幻想といった趣を感じる。猥雑だった音もより整理されて、繊細さを増した枯れた味わい
内容はとてもフォーク&トラッドで渋く侘びたテイストだが、前作で見せたサイケさや神秘性が練り込まれており、一曲ごとに、妙に引っかかりのある音を聞こえてくる辺り、挑戦的、あるいは若さが滲み出ているのが興味深い。とてもレトロだが、演奏の勢いは血気盛んな印象も感じられる。
当時のメンバーの年齢を考えると、びっくりするぐらい若いので、その辺りの溌剌さがサウンドにも出ていて、洗練する一方で、その才気が充実していることも証明しているような名盤だと思う。改めて聞くと一つのピークに到達した感もある、アンファンテリブルな一枚だろう。