音楽鑑賞履歴(2020年3月) No.1371

月一恒例の音楽鑑賞履歴。

今月はまた1枚です。
新型コロナウィルスによる世界情勢、国内情勢の混乱が慌しかった印象で今なお継続中といったところですね。
オリンピックはもちろんその他、イベント関係は大小問わず、自粛、延期、中止という流れもあったり、人の波やらなんやらで
パニックには陥らないパニックみたいな状況下で日々が過ぎていった感じ。
娯楽を楽しもうにも心の底からは楽しめない、なんとも言えない状況ではあったかと思います。いや、音楽も聴いてはいましたけどね?
今年も1/3が過ぎて、人々が争わない戦時下みたいな雰囲気に世界が丸ごと陥るとは思ってもなかったわけですが。
この調子で一年が続きそうな予感もありでなんとも言えないですが、4月はもう少し聞きたいですね。

というわけで以下より感想です。


オデッセイ

オデッセイ

72年発表唯一作。モータウンには珍しい白人・黒人メンバー混合のソフトロックバンド。ディスコ期にヒットを飛ばす同名男女ボーカルグループとは別バンド。日本では渋谷系フリーソウルの流れで90年代に再評価された一作として知られている。聞けばなるほどレアグルーヴ的なサウンドが鳴り響く。
当時のソフトロックやラテンにフォーク、カントリー、ジャズ、ソウルミュージックなどの要素が溶け合って、確かにフリー・ソウル的な括りの音楽が奏でられている。コーラスワークもそれこそFree Designa辺りの男女ボーカルによるシルキーな響きが当時らしくもあり。
一聴きして、モータウン所属のバンドとは思えないほどにはソフトロック然とした内容で、ソウルよりかはカントリー辺りの比重が強く、聴けば聴くほど意外な感じではあるか。ソフトロックからAOR・ライトメロウと洗練されていく過渡期の中で示されたひとつの可能性として聞けるか。
特徴を見出せば、リズムやベースラインのハネ方に黒人らしいバネを感じなくもないが、メロディはフォークやカントリーのそれに柔らかなコーラスワークが重なるので、やはり総じてソフトロックという感触。32分ほどのランニングタイムもあり、聞きやすい良作といったところ。聴いて損はない一枚