極上同窓会#02

アニメ『極上生徒会』、勝手に10周年企画。
10年前の放映日に合わせて、1話ずつ振り返ってます。
今回は第2話。


脚本:黒田洋介/絵コンテ:岩崎良明/演出:友田政晴/作画監督:氏家嘉宏、北村友幸/総作画監督下谷智之


りのの歓迎会と改めて極上生徒会の説明をフィードバックする回です。
前回の記事では省きましたがキャラの紹介もかねて、画像を。


ちなみに第2話のアバンタイトル。りのが加わったヴァージョンに。



内分けを解説すると、
前半四人が遊撃部。いわゆる学園の治安保持とかを担当。
その下の二人が隠密。簡単に言えば、スパイ。文字通りの活動をしてる。
一番下の二人が会計と車両部。読んで字の如く。
まあ、詳しい紹介は各話のピックアップ時に語っていきたいと思います。
んで、極上生徒会(宮神学園極大権限保有最上級生徒会)がどういう成り立ちなのというと。
↓の生徒会長のこの人がこういう境遇の人だから。

そりゃ先生たちも頭が上がらないというわけです。
ちょっと設定フォローのために1話の画像も少し使いながら、宮神学園の紹介も。




なんというか風光明媚な学園です。一番最後のは生徒会棟。物語のメイン舞台のひとつ。



こっちはもうひとつのメイン、極上寮。りのたちが生徒会特権で使える寮。
生徒会メンバーはその性質上学費諸々、色々とタダという設定。

りのの部屋。色使いが目に痛いw

極上寮の管理人さんもサブレギュラーの一人です。


とまあ、こんな感じです。
極上生徒会の面々が各分野のスペシャリストで、
生徒会に入る事が宮神学園全生徒の憧れなのです。
そこを踏まえて、本編に戻りましょう。


まずは、1話で触れた香のフィードバックから。



前回の最後、香は気絶してたから、りのが書記に就任した事実を知らない。
というか、学園の噂になっていた所で寝耳に水な状態で聞いてしまう。
彼女だけ蚊帳の外な構図だった1話ラストの描写が利いていますね。
ここの表情の変化がベタだけど秀逸だなあと。
りのがいきなりやってきて、いつの間にか生徒会の役職に納まっているのが許せないというのがありありと出てる。
香の感情の裏表と激しさがよく現れてますね。
納得が行かないの無理はないけども(この後、香が直談判するシーンはある)、
奏会長が決めたことなので、覆るわけもなく受け入れない事実を飲み込むしかなかった。



それで、この対比ですよ。
生徒会は優秀なメンバーのみで構成されているはずなのに、
りのの学業のていたらくっぷりが学業優秀な香によって、露わに映し出される。
むしろりのはなんでここまで優遇されるのか、っていう作品全体への投げかけでもあったりします。
その辺りは作品を1周すると分かりますが、今はあまり多くを語りません。
見ての通り、りのが香に勝っているものは食欲くらいなものでw
香の視線が視聴者ひいては学園全体の疑問を代弁してるわけですね。



りのがそんなだから、当然の如くクラスメートから槍玉に挙げられる羽目になる。
香が黙ってても、快く思わない人はやっぱりいるわけで。
ちなみに言い寄ってるのは同じクラスの永子と美衣子(A子とB子)。
泣きそうなりのに助け舟を出した人が今回のピックアップ。



桂聖奈(CV:佐久間紅美)。※画像は1話より
高校三年(宮神学園は中高一貫)で隠密のリーダー格兼購買部。
恐らく2話で一番目立ってる人じゃないかなあと、筆者としては思うわけですよ。
作品の立ち回り的にもフィクサーといいますか。
官僚気質なキャラで敵に回しちゃいけない御仁ですね。
論より証拠。
以下の画像まとめをごらんいただければ。



昼食時のいざこざ→仲裁に入る→反対意見をやんわりと封殺の一連の流れ。
どうですか、ご覧の皆さん。
極上生徒会の性質によるその特殊性から、りのの選定理由は明かせない」
というのが一応の理由なんですが、それでもまだ納得いかないのなら武力も辞さない。
権力をそれとなく振りかざしてる辺りに容赦のなさが垣間見えてヤバい。
遊撃の二人に脅える一般生徒を庇う形で制止してるわけだけど、はてどちらが先だったのかっていうね。
ほとんどヤ○ザの手口ですよ、ええw



そしてこの香を使ってのダメ押しですよw
利用できる者はとことん使うのがもうほんとに。
極めつけにこのスマイル。
有無を言わせない謎の威力に満ちているのが、怖すぎる。
お分かりいただけたでしょうか。
聖奈さんは怖い、以上。



というわけ(?)で場を丸く収まったわけですが、
実は生徒会メンバーにも、りのがなぜ書記になれたのか不思議でならないというオチがついてAパートが終了。
一体、我々は何を見ているんだろうかという疑問を持ってはいけません。
「あくまで」学園コメディです、『極上生徒会』は。


ここで一つ分かるのは、
聖奈さんが状況を自在にコントロールして、曲がりになりにも問題を収束に向かわせているという事。
この昼休みの一件は自分から動くことで多少強引さはありましたが、
りのへの不平不満については口出し出来ない環境を形作っています。
しかも食堂という「全校生徒の利用する場所」でそれを周知させるという所まで。
結構、高度なことしてる。
隠密のスペックの高さが窺えますね。
そういう面から見ると、実は2話って隠密回だったりします。


続いてBパートです。
極上生徒会主催による、りのの歓迎会が行われるわけなのですが、
ややあって、↓のような展開が繰り広げられます。
ダイジェストでどうぞ。



※何度もいうようですが、学園コメディです。


この作品の数少ない男キャラ、岩桜龍平太が出張ってきてますがそれはまあいいとして。
極上生徒会が奏会長の意志で行動が決定されるアンタッチャブル集団だという一方で、
宮神学園もその奏会長の理念を目指して設立された学校であるという筋立てが行われてます。
その為に男キャラは犠牲になりました、ありがとうございました


ここでも聖奈さんが裏で活躍してます。以下の画像をどうぞ。



1.大砲ぶっ放す事になった時点で全校に注意喚起。
2.大砲発射準備を手配。
3.発射スイッチを手渡し。


いやいや、発射するまでの前段階を聖奈さんが全て仕切ってるのですよねえ。
恐ろしいw
先ほども説明していた、状況の誘導を自然とやってのけている。
実際踊っているのは別のキャラクターなのですが、
踊る舞台を設定、演出しているのは聖奈さん。
どう考えても全てを把握してやってるとしか思えないんですが、好きなんだよなあw
腹黒さを感じさせない腹黒さが素晴らしいところ。



そして野郎どもが退散した後の、この有無を言わせないスマイル。
右の三連発は同じ画像じゃないですよ?
Aパートラストの展開と同じく、唐突に丸く収めようとする流れの中で、
この半ば強制に乾杯を迫る感じのギャグが突き抜けているというか、脱力してるというか。
絶対楽しんでるだろっていう感覚と、
ここに至るまでの展開を掌握してるからこそ生まれる能天気さが、
混ざり合って、非常に掴み所のないキャラクターになっているように思えるのですよね。
何を考えているのか捉えきれない部分がすごくいいんですが、
一方で何をしでかすか分からない、あるいは怖い部分もあって。
極上生徒会のメンバーの中でも一番アンタッチャブルな存在だと認識しているのは、
以上の理由からなのです。
そういったスペックの高いキャラである一方、
水面下での活動が多そうなタイプなので逆にこうやって目立っているのが珍しい一編でもあります。
2話が隠密回といったのもそういう所から。


けどまあ、そんな深刻なお話じゃなく。

↑のように叫びたくなるゆるゆるなコメディですから、お気楽に見ていただければよろしいかと。


といったところで、次回に続く。

極上生徒会 Vol.1 [DVD]
極上生徒会 Vol.1 [DVD]黒田洋介

キングレコード 2005-07-21
売り上げランキング : 51075


Amazonで詳しく見る
by G-Tools