裏サンデー連載獲得トーナメント第2ステージ感想

今回は感想記事です。
裏サンデーで現在進行中の「連載獲得トーナメント」第2ステージ進出作品の全作感想です
http://urasunday.com/tournament01/index.html
いろいろ兼ね合いもありまして、今回はブログに感想アップ。
感想は自分が受けたインプレッションをそのまま書き起こしてます。
若干えこひいきしてるのもあるにはありますが、まあそれはそれとして。
この中から上位10作が3回戦進出なので、感想の最後に「自分が残って欲しい10作」もあげておきます。
では以下感想です。


PARTS?ENSEMBLE(岩田ナヲヤ):進撃の巨人×巨大ロボット。主役4人の役割がはっきりしているのですんなりと読める。バンド・デシネに影響を受けたっぽい絵とともに主人公の謎で引っ張る形か。おいおい語られるんだろうけどもう少し物語の状況説明が欲しいところ。2話使って最低限の状況を丹念に描いているが引きがそこまで強くないのがちと厳しいか。

マワリの情景 -豆腐編-(有田ヨシノ):豆腐屋ギャグ。1話は本編前の前説漫画が一番面白かったと言う、困った出来だったが2話目は急速に「よつばと!」化してて、また厳しい感じに。ギャグが続かないからコメディにシフトしたんだろうけど、先達の作品の影響が色濃くなってしまったかなと。2話の前説漫画のコロコロっぽいノリでもいいからギャグが続けられたら良かったのに。

風紀的恋愛の終焉(泡):杓子定規ラブコメ。1話の評価をそのままになんと2話目は完成原稿で勝負を掛けてきたので物凄く驚いた。話の転がし方やキャラの動かし方、コマ運びなど物凄くレベル高いんだけど、一方でそのレベルの高さが作品の行儀よさにも繋がってて、周りに埋没してしまっているようにも感じたかなあ。連載向けな話なので次の段階に進んで欲しいのだが。

異能力バトルロイヤル(艮田竜和):タイトルどおりの漫画。主人公が最弱の能力の持ち主という発想は面白いし、キャラ配置が丁寧なのには好印象。能力バトル系の文法を踏まえて、バトルロイヤルやらすのもありそうでなかったわけだけど、基本腹の探り合いになってしまってて肝心の能力の見所があまり無いのが非常に惜しい。キャラの力だけで引っ張っていけるかが焦点か。

デスク勇者(小角緑):勇者がデスクワーカー(外交官)ファンタジー漫画。1話でもその特異な設定を生かして、コミカルな展開を動かしていったが、2話に入って急激に絵柄が濃くなってバトル漫画もいけるという引き出しを隠していたのには作者のクレバーさを感じた。設定の使い方が上手い上にギャグもシリアスも違和感混ざっているのは面白いバランス。続きが気になる。

夢と未来(つくすん):深層心理ダークファンタジー。1話で主人公が見た夢が現実のものになっていたというえげつない引きだったが、2話でどうもそうではないらしいという謎を振りまいてきたので、引きが強くなったのは面白いか。この先どうなっていくかが読めない以上、引き込まれるのは確かなんだがどう転んでも淀んだ展開が待っていそうなので戦々恐々と言ったところ。

NEKOPUNCHΩ(jin):どシンプルなバトル漫画(ギャグ風味)。絵柄は物凄く好み。ハイレベルな画力で物凄くシンプルに徹底した描写はそれだけでも十分武器だ。全体のノリもかなり好きで1話はそのシンプルさを前面に押し出してバトルに終始してたけど、まさかここで凄惨な過去とまさかの百合バトル漫画というのが発覚して、自分としては大歓迎なノリに。続いて欲しくはあるがどうだろ。

4コマーズ(ニャロメロン):ギャグ4コマ。普通に笑ったw 発想のひねりが上手くて、いちいち面白く読んだ。あと一本一本のタイトル表記が下部にあるのも、ネタの連続性として機能してて上手く感じた。2話目も冒頭がまさかの出だしで「!?」と思ったが前回のノリで安心した。ちょっとひねり過ぎなネタもあったけど、ワンパターンにならずにネタ出していけたら面白いかもしれない。

ノーフレンド・マスター(紅葉):オタクなヤンキーが主人公のラブコメ……だと1話の時点で思っていたら2話目で巨大ロボット出てくるわ、主人公が敵ロボを平然と倒せる超人だったりと急激にカオスなギャグ漫画になった印象。豹変という意味では一番インパクトがあった作品だ。しかも1話でのネタ捨てずに継続とか冒険が過ぎるくらいだが、連載の醍醐味を感じさせてくれた。絵柄が洗練されずに進んで欲しい。

勝込学園(駄目之丸):不良学園バトル漫画。なんか粗い作画も相俟って非常に永井豪的ノリを感じる漫画だなあ。喧嘩こそが唯一のカリキュラムというバトル狂育成学園にも拘らず、主人公が逆高校デビューをしようとして、醒めた視線を送る中、バトルを忌避することで百合漫画的展開になるという無茶な展開がとっても素敵だが、このノリで果たしてどこまで行くか。ちょっと見てみたいw

辺獄コイン(スバルイチ):異世界サバイバルバトルロイヤル漫画。1話目の設定を踏まえてのサブキャラ紹介と異世界の生物の蠢動が描かれていたけど、前回アレだけ説明を割いた設定がいまいち今回は機能してないように思えたのと、ここまでの展開があまりにも教科書(テンプレ)過ぎて、とても地味に感じた。味方キャラが出てきたのは少し魅力的ではあるが……。

パニャップとにかく大冒険(あゆ):コミックIKKI系観念型ファンタジー漫画。社会の内外で暴力を振るわれ絵を描き続けることで内省していた少年と自らを木星から来た魔法使いだと称するクラスメートの不良少年が卒業式の日に繰り広げる物語。想像力豊かな絵が非常に魅力的だが、絵で語りすぎる嫌いがあるのがとてもアート系な印象。カテゴリーエラーかなあ。

ガラスの地球を砕かなければ(コガッツオ):地球滅亡促進SF漫画。1、2話を通してみると月移住がメインっぽいけど、2話掛けてまだプロローグの途中なので、物語の掴み所がなくなってしまってるのはあまりにももったいない感じがする。ページを追うごとに、原稿の完成度が目に見えて落ちていっている印象にも駆られて、何だが非常に残念。ネタは面白くあるんだけど。

多数欠(宮川大河):論理型サバイバルサスペンス。多数決という極々シンプルな民主主義的なルールに則ったサスペンデットな物語で2話にして主役交代劇を展開した手腕は評価したいが、やはりある程度積み上げた段階で見たかった展開だったというのも正直なところ。ネタ的に短期決戦っぽい話なのでそこら辺のフィックスをどうしていくかが鍵かな。でもあまり興味は惹かれないか。

ラスボス刑事 旅情編(小林銅蟲):タイトルのとおりRPGのラスボスが刑事になりましたという出オチ的なギャグ漫画かと思ったら、多次元宇宙ネタを引っ張ってきてそこを放浪するというスペースファンタジーになってた不思議な感触の作品。設定が刑事のままだから、作品の魅力でもありアクの強さにもなっている感じ。良くも悪くも引きが気になる作品だなあ。

無言∞回路(三倉和幸):神様(悪魔?)の契約漫画かな、カテゴリとしては。一週間無言でい続けることで願い事をかなえられるという条件付けをうまく使って、降り掛かる困難を回避する物語。この作品の上手いと思うことは2話で早々に設定を消化して、クライマックス感を演出していること。キャラも魅力的だし畳み掛けが上手い作品だな。続きでまた契約する流れかな。

MAZE(ささみ):異世界迷宮物語。人の価値観が現実とかけ離れている世界で鍵穴のついた少女が巻き込まれていく話か。一応トレジャーハント物でもあるっぽいけど、タガが外れた価値観と読者に向けられた迷宮の謎解きがメインっぽいなあ。でもキャラの感情移入が追いついていないところがあって、話に引き込まれないのが痛手ではあるか。

ひじき…が卑怯者を倒していく漫画!(オバマ):小学生が映画の「SAW」みたいな状況に巻き込まれていく漫画って言う理解でいいのかこれ。それだけでかなり異様な作品なんだけど、いちいち小ネタがみみっちいのが物語のカオス度を高めているような気がするwいったいどういう流れになるのか先が読めないが、それ以上に描かれているプロットに心が惹かれないのが問題かと。

救済のTRICKER(辺入十一):不死身になった中年のおっさんと神の子と呼ばれる女の子が犯罪や困ってる人を救済していく話。1話でかなり思わせぶりなことをおっさんが言っていたわりには、彼らの日常が繰り広げるだけの2話だったように思う。ゆったりとして雰囲気は魅力的だけどけっこう想定読者の年齢層が高めな題材なのでどこまで勝負できるどうかが疑問だなあ。

マビロリウム(今越章了):記憶喪失の主人公がネトゲ(っぽい)世界で自分が何者なのか探りながら出会った仲間がネトゲネトゲに閉じ込められ、助けに行くまでが2話の展開。謎が謎を呼ぶ展開だけど、いまいち話に引き込まれない。世界の秘密を暴く感じのRPG的展開なのだろうけど、ちょっと物語の進め方が淡々としすぎてる印象だなあ。

SMOに乗って(コタニジュンヤ):スーパーロボット相撲漫画。1話だとロボットアニメのシュールなパロディ作品かなと思っていたら2話で相撲というのは改めて明示されることで、ネジが一本飛んでる妙な漫画になった。あんまりにも淡々と話が進行しているので物語の牽引力も細波程度なのが残念。そもそもどういう作品世界なのかの説明が無いことがシュールになってて現段階では入り込みづらい。


《まとめ〜3回戦に進出して欲しい10作》
以上、感想が終わったところで、自分が次に進出して欲しい作品は以下の通り。

風紀的恋愛の終焉
デスク勇者
NEKOPUNCHΩ
4コマーズ 
ノーフレンド・マスター
勝込学園
ラスボス刑事 旅情編
無言∞回路
夢と未来 
パニャップとにかく大冒険

こんな感じになりました。
予想とかそういうのじゃなくて、希望順位ですw
投票結果がどうなるかわかりませんが。
出来としては「風紀的恋愛の終焉」が頭ひとつ抜けている感じでしょうかねえ。
最終ラウンドが上位4作なので現段階で選ぶとなると、
まだ引き出しを残してそうな「デスク勇者」、「無言∞回路」
ギャグ枠として「4コマーズ辺りでしょうか
「ノーフレンド・マスター」や」「勝込学園」のダイナミックさも買いたいけど、大穴っぽい。
「NEKOPUNCHΩ」は自分の嗜好的には大好きな作品だけど難しそうだし。
語るといろいろあれこれ出てきますがこの辺で。
ただひとつ留意すべき点があるとすれば、
「優勝作は裏サンデーで連載確約」かと。
話の引きや、連載を重ねる技量がやはり大事なので、プレゼンテーションも大事だけど
どれだけその作品で興味を惹けるか、
どれだけ読者を引きこめるか、
が焦点なのでしょうね。
そこに照らし合わせていくのが大事なんだろなあと思ったり。
さて、結果はどうなるんでしょうか。
楽しみです。