Angel Beats!はまだ始まってもない。

最初の記事にして唐突ですが、Twitterも先日から始めてましてちょくちょく書いてます。

テリー・ライス (@terry_rice88) | Twitter

で、そこでアニメの毎週感想を行おうと考えてまして。
続けられるように頑張ろうという次第であります。
書いた感想はTogetterでまとめて以下のようにリストを作っていこうと思ってます。

ライスのアニメ感想:#1 Angel Beats!(1) - Togetter

観覧していただけるとありがたいです。

さて今回はタイトルにもあるように今期の話題作であろう、『Angel Beats!』の話題を進めて行こうと思います。
感想というか、Togetterでまとめたものからまた少し考えたことを。


すでに賛否両論の嵐となってる(現段階じゃ否の方が多いかも)本作。

でも良く考えてみると、本編の話ってまったくっていいほど進んでないような気がします。
どんぐらい進んでないかというとスタートラインから1mmしか動いてないんじゃなかろうかと思うくらい。
初回でいきなり作品世界の背景説明とキャラ紹介を大雑把に済ませたってのもあるんでしょうけども。


とりあえず分かったことを、簡単に列挙するとこんな感じ。



・舞台は死後の世界
・主人公は記憶喪失状態
・すでに死んでいるから死ねない身体(ほぼ不老不死)
・現実は理不尽に死が蔓延しているけど、死後の世界はそうではない。
・ここで生きるためには何かしなければいけない。
・つまり、神の使いである天使に抗い続ければ、存在を維持できる。
・さらにNPC(ノンプレーヤーキャラ)がいる。
・ここでの死とは模範的な行い(要するに日常を逸脱しない生活=NPCの過ごす生活)をすることで存在自体が消えてしまう。
・主要キャラ紹介(まだ全部じゃないだろうけど)



作中世界におけるお約束事を大体、初回で語っちゃったんじゃないかなと。
あれやこれや細かいところも無視しても、大まかなところだけでこれだけ出てくるから、情報的な密度はたぶん高いんでしょうね。


でまあ、ともかく。
一話の内容は上に挙げたとおりなんですが、いわゆる物語の起承転結で考えるとどうなんだろうというお話です。
主人公は前述のとおり、記憶喪失です。
なので、キャラの背景的なものが現段階ではまったくない状態。
普通だったら、家族が何人構成で、性格がどうだったりとか、趣味はなんだとか、そのキャラの特徴がまずあると思います。
しかし、本作の主人公、音無にはそれがまったくない。
記憶がないわけだから、語るべきものを持ってないわけです。
まあ、記憶喪失が唯一の特徴とも言えるのですが。
立場的には非常にニュートラルというか、没個性というべきか、このアニメを見てる視聴者と同じ目線。
もっと言えば、ゲームのプレーヤーキャラでしょうね。
喋らないわけじゃないけども、語るべきものも持ってない。


なわけで、音無がどういう行動規範を持っていて行動するのかが現時点で不明瞭だから話が進まないというのが一点。


それは同じく、ヒロインのゆり率いる「死んだ世界戦線」にも言えることでしょう。
こっちもよくわからないです。
目的が「この世界で生きていくために天使に抗い、世界を手に入れる」だとしても、その先が見えてきません。
作中で音無も言っているように「その後、どうするんだ?」というのがまるでない。
音無も「この世界から脱出する」ことを目的にしてますが、こちらもその後、どうするかの答えが出ていない。
集団でも個人でも近い未来への展望がまったくないのが気にかかるといえば気にかかるところ。
ゆりが「順応性を高めろ、あるがままを受け止めろ」とは言ってるけど、それってどうなのっていう。
まあ、そういう集団に音無が入るのは必然なんだろうけど、今後の展開でかりそめに結んだ絆が本物になっていくんだろうなあという気はします。


現段階では集団でも目的意識、指針がはっきりしないので、オペレーション・トルネードという名の食券巻上げ作戦における天使との攻防みたいのを描写されてもこちらとしては入り込めず、話がスタートを切ったと感じられないのも一点。


ここら辺は製作者側の意図かもしれませんが、個人的な印象としては一話でのあらゆる事象が空虚に感じられるということ。
主人公もそうですがすべてが絵空事みたい。
すでにいろいろ検証されていますが、死後の世界=デジタル世界(仮想(ゲーム)世界)ではとの説も上がってます。
私としてはTwitterの感想でも述べたように、そんなに安直でいいの?って考えてます。
安直でも面白ければ越したことはないんですけどね。
ただ仮想世界だと仮定すると非現実って事だから、あらゆるものに現実味を感じないのも説明がつくので、なんとも言えない所です。


今のところ、一話で繰り広げられた展開はオフビートというか物語的な起伏はまったくないかなと。
ずーっと同じ調子で続いている。悪く言えば平板です。
作品の要素をすべて一列に並べたような感じで、転がすのはこれからって感じで。
これもリンクの感想で述べたように情報の価値がすべて等価値に並んでいるのでどれに比重が置かれるのかが漠然としているんでしょうね。
全部楽しむってのが一番いいように思いますが、全部が同じラインに並んでいるからどれを楽しんでいいのか、迷っちゃうところが難点。
おまけに一話の中で細かく区切られちゃってるから、一つを楽しむにしても物足りないってことになっちゃう。


あらゆる要素が短く設置されてる上に同時進行してるために情報の処理がおっつかなくて話が進まないのも一点でしょう。


以上のことから考えると、起承転結の「起」段階なのだろうけど、そこに立っただけなんじゃないかなと。
要するに短距離走でスタートラインに立って、クラウチングの姿勢をとっただけで一話が終わってる。
映画で言えば、タイトルコールに入る前の冒頭が何とか終わったところででしょう。
これから音無が、死んだ世界戦線の面々が、(天使もですが)どうなるかは次回からなんでしょうね。



いろいろ言ってきましたが、そろそろまとめに入ります。

感想としてはTogetterにまとめたとおりなのですが、個人的には説明回としてはそこそこ楽しめたんですよね。
作画は大見得切った割には微妙でしたけども。
現時点ではまだ謎が全部で切ってないので、次回に注目する以外にありません。
どう転がるかで作品の質などもおのずと決定していくでしょうし、反応も変わっていくことでしょう。
Angel Beats!」という物語はまだ何にも始まってないわけですから。