ヒーリングっど♥プリキュア13話。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
約二か月ぶりの放映再開。新型コロナウィルスの影響で予期せぬトラブルに見舞われたが、ようやく話が再始動した。前回のヒキから、ひなたがプリキュアを続ける意味を見つける回。コンテ演出は志水さん二回目、作監は美馬さん、脚本は香村さんと5話の高橋さんが共同。 pic.twitter.com/5C4cR5YMiR
始まりはひなたの家でラテの健診。今回初登場のひなたパパはおやじギャグの利いたひょうきんなキャラクターでこの親にしてこの子ありといった感じが伝わってよかったかなと。演じてる松田健一郎さんはヴィンランドサガのトールズや刀剣乱舞の祢々切丸のCVが印象的かなと。 pic.twitter.com/rO4kXWqA28
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
とはいえ、本題はそこじゃなくてこの三人の距離感よね。自宅というのもあるだろうけど、前回を受けて表情がアンニュイなひなたが目に入ってくる。 pic.twitter.com/2TNA2VgxIG
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
今回はアバンタイトルで大体の前振りが出来てて、この後の展開で出てくるひなた姉のめいといい、メインで扱うキャラクターを絞って、上手くワンエピソード回しているのが巧いよなあと。 pic.twitter.com/DjWNNTRgpL
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
前回の感想で長々語ったけど、今回スポットライトが当たっているひなたが、自分らしさや自己肯定感のなさを(彼女から見て)できる家族と比べて、自嘲気味にプリキュアもやめそうなのに、とぽろっと口走るのが事の発端。 pic.twitter.com/5CRWgLAsc9
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
前回の感想で長々語ったけど、今回スポットライトが当たっているひなたが、自分らしさや自己肯定感のなさを(彼女から見て)できる家族と比べて、自嘲気味にプリキュアもやめそうなのに、とぽろっと口走るのが事の発端。 pic.twitter.com/5CRWgLAsc9
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
4話や9話などの描写を振り返ると、実はひなたは二人と対等というよりはどちらかといえば、やや一歩引いて自分を低く見てる節がどこかしらに合って、面と向き合われても、正視に耐えない程度には自分らしくあることに自信がないのが描かれてるわけですね。 pic.twitter.com/LLOcVlhDTp
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
二人よりも自分を低く見てる分、次第に強大となっていく敵との戦いに徒労感を覚えてしまう。自分なんかが戦っても意味がない、と。この後の言及に続きますけど、ひなたの場合は飽き性というのともちょっと違う印象で。スタンスとしては「それ自分がわざわざやらなくてもいいよね?」という感じ。 pic.twitter.com/iHTpzUOHBi
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
ここのシークエンスは今回のエピソードとしては割と重要な部分で、このミックスジュースのくだりとかも「(これを作るのが)自分である必要」を二人の反応を通じて見つめているわけで、何がしかの承認欲求を求めている、とも見て取れるんですよね。 pic.twitter.com/dC6ly1NQ0X
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
姉の作るものとちょっと違う(けど美味しい)と言われて落ち込むのもまさにそこで。言ってみれば、自己肯定感の低さを他者からの承認によって補おうとするけど、上手くいかない。自分らしいなにかがないから、そのなにかを求めるけど、それが分からないから何をやってもしっくりこないというスパイラル pic.twitter.com/6cuHSQyNUF
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
それが結果的になにをやっても続かないということになって、「自分がやる必要性」に疑問を感じてしまう。上手くやれる人が目の前にいればこそ。幼い時はそれが兄と姉で今は同じプリキュアをやっているのどかとちゆに同じ思いを抱えてしまっている。劣っている自分が続ける意味はないじゃないかと。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
で、ひなたのそういった気持ちにちゆが共感しているのが面白い。多分、陸上をやっている経験則からだろうけど、成果の伴わないことに迷いが生じるのは理屈じゃないという理解はひなたより一歩先を行ってる感じもあって、含蓄のある言葉ですよね。 pic.twitter.com/nanrQgyTaE
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
ただひなたにおいてはそういう迷いが生じている状態であるし、プリキュアをやることに迷いのない二人と比べるとそれ以前の段階で足踏みしているのがよく分かるし、彼女が「プリキュアである事」以前に対等な立場に立ててないのが明らかなのも確か。 pic.twitter.com/2EyxHOunN2
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
前回で提示された「以心伝心」ということを考えると、ひなたが同じ場所に立ててない以上、お互いに通じ合うということも難しいという話でもあり、三人の心的距離感の問題でもあるんですよね。 pic.twitter.com/wIP6kF82x3
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
心的距離感という面では今回のビョーゲンズが対比になってて、ちょっと前後しますが、この立ち位置の不均等感が仲の悪さを如実に表しているのがよく分かります。心通じ合っていないどころかいがみ合ってる感が凄い。 pic.twitter.com/OWt1NzUL9L
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
個人レベルの問題とチームとしての問題がお互いに作用してて、物語的には序盤から一歩先に踏み入った話になっているのは、第1クールを過ぎて第2クールの初回らしい展開と言えますね。ひなたが他の二人より一歩ズレているのもそういった布石として機能している感じ。乗り越えるべき壁が設定されてる。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
で、今回ビョーゲンズ側はわりと搦め手な攻め方してて、ドローンメガビョーゲンを使って、上空からすこやか町各所で静電気を発生させて、地味ながらも大きな被害を及ぼしている。グワイワル、こういう頭が回らなそうなのに、割と悪賢い。 pic.twitter.com/caL9D0YvCq
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
上空から攻撃されているので、敵の居場所が分からず、あちこちを探し回るのどかたち。一歩ズレているひなたは探しているこの間もメガビョーゲンが強くなり、太刀打ちできなくなることを懸念して、諦めかけている。ひなた個人の問題がチームの問題へと飛躍してしまっているんですよね。 pic.twitter.com/sOlO9w1uUf
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
それこそ(太刀打ち出来ないほどに強くなったら)「私たちがプリキュアをやる必要あるの?」って問いをダイレクトにぶつけてて、ひなたの心情が二人にも悪影響を及ぼしかねない格好になっているわけで、以心伝心や三位一体と考えると危ういマイナス思考でもある。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
そこに舞い込んできたのが、姉のめいが静電気の帯電によって車に閉じ込められてしまったという知らせが。本人はそこまで深刻ではないのが救いだけど、ひなたは気が気じゃない。するとのどかが意を決して、行動に出る。 pic.twitter.com/NXDZd5o0NV
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
ひなたが投げかけた問いに出したのどかの答えは「あきらめずにメガビョーゲンを探そう」というシンプル極まりないもの。「必要性」よりも「必然性」が先に立っているのが、のどかのブレないヒロイズムを感じますね。同時にこれも一歩先の答えでもある。 pic.twitter.com/tqQ1NqYe2o
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
この構図がとても顕著で、めいの乗った移動カフェカーを真ん中に、大切な人を前にして自分はどうするのかを投げてきているというか。プリキュアである以上は守らなきゃいけない。自分である必要性よりもプリキュアである必然性が勝つ以上、やらなければいけない使命がある。 pic.twitter.com/0ZDhsIQJT3
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
それ以上に、他人のためになにかをしてあげることが出来るのならば、それは意味のあることなんだ。と、ひなたの抱える迷いを軽減させる論理のひっくり返し方は見事だなあと思う。のどかの言葉がひなたを同じ立ち位置に引っ張り上げた結果、三人のトライアングルが生まれる組み立ても凄い。 pic.twitter.com/6qcSZ9M5tR
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
ひなたがプリキュアである必要性をみんなが知っているから、支えることもできるし、プリキュアとして彼女がしていることに意味がないということはない。ひなたは独りじゃない事を知り、プリキュアである必然を知ることになる、というのが今回の大筋なのかと。 pic.twitter.com/0GbLNdloLP
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
ヒーローとして導かれるのではなく、そうであることを自覚して、ようやくひなたはのどかたちと同じ位置に立てるんですよね。同時にそうであることは独りで成り立っているわけではないということも。のどかたちだけではなくニャトランたちも支えていることで出来ている。 pic.twitter.com/uQHJLKF6wA
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
他者によって、自分である必要性に目覚めることで必然性も見えてくるというプロセスなので、ここからようやくスタートラインでもあるわけですよね。今回、変身バンクが省略ではなくほぼほぼ「均等に」尺を割いて描写されているのもそういった理由なんじゃないかなと思うわけですね。
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
立ち位置が明確になったところで、やるべきことにも自発的になり、敵を突き止めることが出来たことが今回描かれたひなたの成長と言えるべき箇所なのかなと。 pic.twitter.com/YRaHY9d4gV
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
とはいっても、一歩歩みを進めたにすぎなくてこれから乗り越えなければならない問題もあるわけです。ここら辺、着実に一歩一歩段階を踏んでいくことをシリーズ構成として選んでいるのはなかなか油断ならない。 pic.twitter.com/ckeS42rG9b
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
というのも、この表情変化の細かさが物語っているのではないかと。敵と立ち向かう恐怖を振り払って、今は諦めずに立ち向かうキュアスパークルが描かれていますが、プリキュアである事にひなた自身が追い付いていないというかそういうニュアンスを感じ取ります。 pic.twitter.com/nT0aggwGB5
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
のどかとキュアグレースの間にはギャップがあることが明らかですが、ひなたも自分がキュアスパークルである事への理由に追いついてないまま、プリキュアをやっている節があるので、そこの突き詰めは今度も触れてくるのかなと思えますね。のどかは理想を見てるけど、ひなたはより自己を見ているというか
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
プリキュアである必然に促されて、今回のひなたは大切な人を助けるために動いて、敵を倒した。それは決して意味がないことではないという結果として残ったという描きなんですよね。 pic.twitter.com/K80A42UpWL
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
だから倒した後、深呼吸の描写を入れて、落ち着かせているのを見る限りは、ひとまずの解決は見たけど、もう一、二段階難関が待ち受けてそうだよなあと思うわけです。プリキュアである理由は理解したけど、意味はこれからといったところなのかと。 pic.twitter.com/U93nOvUbtx
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
そしてようやく二つ目のエレメントボトルをもらって、ラテを助けることが出来た、という先にほかの二人が行ったことをひなたもクリアできたことで、これからの物語にも弾みをつけることが出来たことなのかなあと。自分らしさを追い求めるよりも結果と意味は後からついてくることを表しているのかも。 pic.twitter.com/0GrvwrYcFw
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日
ともあれヤマを一つ越えたひなたの表情には迷いはもうない。ただこれはまだ第一歩に過ぎないんだろうなと思わせるくらいには小さな一歩なのだという印象が強く残る回だったなと。さてひなたの次の試練はどうなることやら。今後も注目していきたいです。 pic.twitter.com/kq7Bta09c5
— テリー・ライス (@terry_rice88) 2020年7月3日